REPORT 現地レポート

三井不動産カップ 2024(北海道大会)[GAME2]日本 95-87 オーストラリア「北海道の皆さんの前で楽しんでプレーできたことでのうれし涙」東藤なな子選手

2024年6月22日

 連日5千人を超える多くのファンに背中を押された女子日本代表は、「三井不動産カップ 2024(北海道大会)」を2連勝。GAME2もオーストラリア代表に95-87で勝利。「共通認識を持ってみんなで戦った結果、すごく良いエナジーで1試合を通して、誰が出ても日本のバスケを全うしようという意識がすごく強かったです」と林咲希選手は勝因を述べます。

 連日チーム最多となる5本の3ポイントシュートを決めた林選手が、大会MVPに選ばれました。55.6%の3ポイントシュート成功率を記録。しかし、林選手自身はシュートよりも課題となるディフェンスにフォーカスしていました。GAME1の反省点を練習で確認して臨んだこの試合でしたが、「ローテーションが遅かったことが何度かありました。自分たちのディフェンスを40分間続けれるように頭を働かせ、エネルギー自分たちは持っていかなければ簡単にインサイドから得点され、難しい試合になってしまいます」と林選手は話し、87失点はGAME1よりも2点多かったです。

 ハイスコアゲームの展開に対し、町田瑠唯選手も「ディフェンスでアグレッシブに行きつつ、ファウルケアもしながら相手の嫌なところを突いていく駆け引きが本当に大事になります。ゲームの中でのファウルに対するアジャストが必要でした」と振り返ります。この試合はオーストラリアに33本のフリースローを献上し、ディフェンスできない状況から25点も決められました。課題を洗い出すのが強化試合の役割であり、世界一へ向かう女子日本代表にはまだまだ伸びしろがあります。

 今大会は選手選考を兼ねていることを恩塚亨ヘッドコーチは明言し、選手たちも把握していたからこそ、それぞれの強みを発揮。それに加え、北海道札幌市出身の東藤なな子選手は生まれ育った地元での試合を前に、「プレッシャーを感じないようにしていましたが、思っていたよりも緊張していました」とGAME1は本来の力を出し切ることはできませんでした。

 「迷わずプレーする、自分が思ったタイミングでシュートを打つ、ディフェンスでは常に足を動かすこと」を常に意識する原点に立ち返り、吹っ切れて臨んだGAME2。「早く試合に出たい」とうずうずする東藤選手の出番は、第2クォーター途中にやってきました。すぐさま3ポイントシュートを決め、持ち前のディフェンスでもチームを勢いづけます。

 選考と地元凱旋のプレッシャーを乗り越えたことで、8点と活躍。恩塚ヘッドコーチも「今日は苦しい時間帯でも迷うことなくシュートを決め、大きな仕事をしてくれました。気持ちが前向きで、何かできることがないかを探すような機転が利く選手です」と東藤選手を称えます。試合後、ファンへ挨拶した東藤選手は感極まり、涙を見せました。

「今日の試合で自分のプレーを出し切れたことに少し安心しました。育ててくれた北海道の皆さんの前で、楽しんでプレーできたことでのうれし涙でした」

 1年ぶりに、多くのファンの前でプレーできる喜びを味わうことができた三井不動産カップ。次は7月4日(木)・6日(土)、さらに大きな有明アリーナに舞台を移し、ニュージーランド代表を迎える国内での最後の強化試合です(チケット好評発売中)。世界一の目標へ向かう「走り勝つシューター軍団」の戦いを、ぜひ会場で体感してください。

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